12月に入り、いよいよ本格的に冬季練習が始まるころだと思います。冬季練習はシーズンをより良い形で迎えるためのいわば鍛錬気。この期間での練習の成果がシーズンの結果を決めると言っても過言ではありません。そこで今回の記事では冬季練習のメニューの立て方と注意点について解説します。自信を持ってシーズンを迎えられるよう、ぜひ最後までご覧ください!
冬になると試合は多くないし、寒くて外にも出かけたくないからなかなか練習に身が入らないなぁ…
冬季練習は次のシーズンにつながる大切な練習期間!のんびりしている暇はないよ!
でも、やり方を間違えると来シーズンを棒に振ってしまう可能性もあるんだ!
今日は失敗しないための練習方法を解説するね!
冬は来シーズンの記録を左右する大切な時期
来シーズンの記録を左右する?そんなに冬季練習って大切なの…?
もちろん!まずはその理由から説明するね!
冬季練習が大切な理由①:大きな試合の時期
シーズンで一番初めの大切な試合を考えてみてください。高校生ならインターハイ県予選。大学生なら地方インカレ。社会人なら各都道府県の選手権などでしょうか。それらはすべて5月~7月くらいにあるかと思います。冬季練習が大切な理由の一つ目はここにあります。寒さが落ち着いてきた3月や4月から本格的に練習を始めると、これらの大会まで2~3ヶ月程度しか準備期間がありません。この時期から練習を始めて間に合うはずがないのです。仮に12月から冬季練習を始めていた場合、3ヶ月もの差が出てきます。この意味で冬はシーズンを向かえるに当たって非常に重要な期間となります。
冬季練習が大切な理由②:土台をつくることができる。
当たり前ではありますが、夏場の暑い時期は冬ほど距離を積んで走りこむことはできません。特に近年の気温の高さの中で長時間練習を行うと熱中症など命に関わる問題も出てきます。だからこそ、冬場の気温が低い間にしっかり走り込み、シーズンに向けて土台を作っておくことが大事になります。この時期に作っておいた土台がシーズンに入った時に本領を発揮してくれます。これは長距離種目に限った話ではなく、800mなどの中距離種目においても、冬季練習での土台作りがシーズンの記録に直結します。
冬季練習のメニューの立て方
なるほど…たしかに冬季練習の結果が来シーズンの記録に直結しそうだ…
じゃあ具体的にはどんなメニューを立てていけばいいの?
冬季練習の重要性を分かってくれたみたいだね!
ここからはメニューを立てるうえでのポイントを解説するね!
冬季練習のメニューの立て方①:「質より量」を意識しよう
冬季練習のメニューを考えるに当たって意識すべき点は「質より量」。ただしこれは、『ただひたすらに距離だけ踏んでいればいい』という意味ではありません。たとえば、普段は400m×10というメニューを72秒で行っていたとしましょう。ここで言う量を増やすというのはこれを同じペースで15本走ることではなく、ペースを75秒にまで落として15本走ることです。1000m×5を3’00/kmで行っていたのであれば、3’10/kmまで落として7本走る。これがここでの「質より量」の意味です。
冬季練習のメニューの立て方②:走る距離を伸ばそう
二つ目のポイントは「走る距離を伸ばすこと」です。先ほどの「質より量」にも関連していますね。最初に述べた通り、冬季練習を行う理由の一つが土台作り。走る距離を伸ばすことは、この土台作りの基本と言えるでしょう。夏場に行っていた30’jogを冬季練習中は60’jogにまで増やす。6000mのPRを12000mにまで増やす。ペースを落としてでも良いので、土台作りのため徐々に距離を増やしていきましょう。夏場の練習のように暑さに苦しむことはないので、慣れてくると案外ペースを落とさなくても長い距離が走れるようになりますよ。
ただし、距離の伸ばしすぎには注意してください!この点については後の『冬季練習の注意点』で詳しく解説します。
冬季練習のメニューの立て方③:試合にも出場しよう
これについてはメニューの立て方とは少し違うのではと感じる方もいるかもしれませんが、冬季練習を行う中で試合に出場するのは非常に大切なことです。練習の一環として出るのも良し、しっかり調整を行った上で出場するのも良し。とにかく試合に出場しましょう。冬季練習中に試合に出場するメリットは現状の把握ができること。レースに出場することで、今自分に何が足りていないのか、どこが弱いのかを把握できます。そうして課題を知ることができれば、その課題を克服できるメニューを練習に取り入れます。これを行うことで、より磨きのかかった状態でシーズンを向かえることが可能になります。(※ここで言うレースとは3000m以上の種目を指しています。ある程度のスピードが必要になる800m/1500mへの冬季期間中の出場はあまりおススメできません。中距離選手もこの期間に練習の一環でも良いので長距離種目にチャレンジしてみましょう。専門外の種目の中から自分の課題を発見できることもよくありますよ。)
また、試合に出場するもう一つのメリットとして、「記録を保持できること」が挙げられます。高校や大学の駅伝などでは、出場のために記録審査を通過しなければならないパターンがよくあります。記録審査の直前になって慌てて出場するよりも早いうちから記録を保持しておくことで気持ち的にも余裕が生まれます。
試合の調整方法については下記をご覧ください↓↓
冬季練習での注意点
冬季練習のポイントは「質より量」か!
来シーズンしっかり記録を出すためにこの冬は走りこむぞ~!
ちょっとストップ!!
ただ距離を積むだけじゃなくて注意しないといけないこともあるよ!
最後に冬季練習の注意点を紹介するね!
注意点①:必要以上に距離を求めすぎない
冬季練習を始めると気になりだすのが走行距離。練習量の目安として走行距離を気にするのは問題ありません。しかし、「必要以上に距離を求めすぎてしまう」ことには十分注意してください。メニューの立て方で述べた通り冬季期間中は走行距離を増やすべきですが、必ず自分の体と相談しながら練習を行ってください。慣れない体で無理をして走り込み、故障してしまう人をこれまで何人も見てきました。怪我をして練習を中断してしまっては本圧転倒です。「無理をして走らない」これだけは必ず守ってください。
注意点②:入念にアップをする
冬の間は夏場よりも体が温まるまでに時間がかかります。体が温まり切らないままでの練習は怪我につながります。ストレッチ等も含め、十分にアップの時間を取ってから練習に臨むようにしてください。参考までに、私は冬季期間中は必ず2~3kmのjogを行うようにしています。
注意点③:スピードは出しすぎない
最後は具体的な練習についてです。冬季期間中の練習では極力、スピードを出しすぎる練習は避けましょう。つまり全速力は避けてください。冬場の体が冷たい状態での全速力は肉離れなどの怪我につながる危険性があります。早くても全速力の7~8割程度で抑えましょう。私は例年3月中旬くらいの温かくなってきたころから徐々にスピード練習を取り入れています。
まとめ
今回は冬季練習の意義・メニューの立て方・注意点について解説しました。
- 冬季練習は来シーズンに向けての土台作り
- メニューの立て方の基本は「質より量」ただし量を追い求めすぎることには注意!
- 練習前にはしっかり体を温めて怪我を予防
この記事で紹介したポイントを抑えて、有意義な冬季練習を積みましょう!
来シーズンを良い形で迎えられるよう、怪我に注意して練習するぞ!!
この冬しっかり土台を作って来シーズンに備えよう!
怪我にだけは気をつけてね!
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